「毎年それなりの費用をかけて防虫業者と契約しているのに、虫が減らない……」
そんな声を、私は現場で何度も聞いてきました。
実際に、契約金額が10万円でも100万円でも「満足していない」という工場は少なくありません。
なぜこれほどの差額があっても成果が出ないのか?
原因は、業者の費用配分と作業内容にあります。
本記事では、防虫業者の作業の仕組みとコスト構造を解説し、実際に虫が減るための対策を紹介します。
【防虫契約の主な費用内訳】
防虫業者の年間契約には、主に以下のような費用が含まれています。
- ① 人件費(トラップ交換・インスペクション)
- ② 資材費(粘着シート、誘虫ランプなど)
- ③ 虫の同定費用
- ④ 諸経費(交通費など)
【虫が減らない原因:実は”調査”より”交換作業”に時間がかかっている】
よくある業者の流れは以下の通りです:
トラップ設置 → 翌月訪問し回収 → 虫の同定 → インスペクション(調査) → 報告書作成
この中で、実際に虫を減らす行動につながるのは「インスペクション(侵入・発生源の特定)」です。
ところが現場では、多くの時間をトラップの交換に費やしてしまっているのが実情です。
工場が広ければ広いほど、トラップ交換にかかる手間とコストは大きくなり、
結果として本来時間をかけるべき“原因究明”が後回しになってしまうのです。
業者も本音では言いませんが、価格を下げられるのを恐れて“見える部分”に時間をかけていることも少なくありません。しかし現場では、こうした原因究明に時間が割かれず、形式的な作業だけが繰り返されていることも…。
実際に「トラップ交換さえしっかりやっていれば安心」と思われがちですが、本当に重要なのは“なぜ虫がいるのか”を調べることです。
【コストを下げて、虫を減らすためにできる4つの工夫】
① 不要なトラップの削減を検討する
すべての場所にトラップが必要なわけではありません。過去の捕獲データを元に、「ほぼゼロ捕獲の場所」は削減対象です。
② トラップ交換は自社で対応する
業者の作業時間=コストです。自社で交換できるなら、その分を調査や対策に充ててもらう交渉が可能になります。
③ 一部のライトトラップを“モニタリングではなく捕殺目的”に切り替える
とくに倉庫や出入口など、外部との接点がある場所はモニタリングより捕殺優先が効果的。コストを下げつつ、現場に合った使い分けが重要です。
④ 他社の見積もりを取る
価格競争が働くことで、サービスの質や価格の見直しが期待できます。ただし今回は主旨とズレるため、詳細は省きます。
【まとめ:虫が減らないなら“契約の中身”を見直す】
防虫対策は「高い契約=安心」ではありません。
虫を減らすには、“どこに時間と費用をかけるか”が重要です。
私はかつて担当していたお客様に、上記のような提案をし、
同じ予算で満足度と成果を上げることができました。
あなたの工場でも、まずは1つでも試してみてください。
✅ トラップの数を見直す
✅ 交換作業を自社でできるか検討する
✅ 契約内容に“調査と対策”の時間が含まれているか見直す
それが、コストを抑えながら本当に虫が減る第一歩になります。
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