1. 小規模工場ほど「最低限の防虫対策」が重要な理由
中小規模の食品工場では、防虫専門業者を常時入れるのが難しいケースも多く、品質管理担当者が防虫管理を兼任していることが珍しくありません。
ただ、防虫対策が後手に回ると、
異物混入・クレーム・製品回収など、事業継続に直結するリスクを抱えることになります。
とくに小規模工場では、
- 防虫専任者がいない
- 専門業者に外注する予算が確保できない
- 品質管理が現場と兼務で手が回らない
といった状況から、防虫対策の「最低限の基準」を押さえることが求められます。
本記事では、私の現場(食品工場)で実際に成果が出た、**「給気ファンからの虫の侵入を防ぐ方法」**を紹介します。
2. ドアを閉めても虫が入る…意外な侵入経路とは?
出入口・シートシャッター・扉の開閉管理など、基本的な対策を講じていても、
「なぜか虫が入ってくる」と感じたことはないでしょうか。
原因のひとつは、給気ファン・吸気口・換気扇などの空気の出入り口です。
以下のような状態に心当たりがあれば要注意です。
- プレフィルターのみ設置して安心している
- 壁や窓の自然吸気口に、防虫対策をしていない
- 給気ファン周辺にわずかな隙間がある
空気を取り込む=虫の侵入経路になりやすい場所でもあります。
3. なぜプレフィルターだけでは不十分なのか?
一般的に使われるスポンジ状のプレフィルターは、
塵や埃の除去には有効ですが、防虫対策としては不十分な場合があります。
その理由は以下の通りです。
- フィルターと枠の間に隙間ができやすい
- 風圧でフィルターが浮いたりズレたりする
- 5mm前後の小さな虫(ユスリカ・タマバエなど)は容易に通過する
私の工場でも、「フィルターを付けているから大丈夫」という油断が原因で、給気ファンが虫の侵入経路になっていたことがありました。
4. 解決策|防虫ネットで“内側から”侵入をブロック
上記の課題を解決するために導入したのが、
**給気ファンの内側に取り付ける「防虫ネット」**です。
素材としてはナイロン製のものをよく見かけます。
✅ 導入メリット(小規模工場に適した理由)
- 既設のファン設備に後付けでき、施工が簡単
- 防虫ネットはカット可能で、任意サイズに対応
- アルミテープやマグネットで固定できるため、工事不要
- 社内施工で対応可能、外注費不要
✅ 活用例(実際の事例)
- 給気ファンの内側に設置:虫の侵入を物理的に遮断
- 自然換気のための窓に貼り付け:夏場の窓開け換気時にも虫をブロック
✅ 見える効果
- 捕虫器に虫がかからなくなるなど、現場スタッフの体感で効果を実感
- 虫の付着が視認できるため、管理・改善の指標にもなる
- 低コストかつ複数箇所へ展開しやすい
5. 現場の成果|侵入虫の体感9割以上をカット
実際に過去に私が導入した工場では、
虫の侵入が体感で8割以上減少しました。
会社機密のため、詳細な捕獲データは記載できませんが、
- 捕虫器の捕獲数が減った
- 虫の目視確認数が激減
- 作業員からも「虫を見かけなくなった」との声多数
といった変化が現場で確認されています。
6. まとめ|給気ファンの見直しはコスパが高い防虫対策
「虫の侵入=出入口から」という固定観念にとらわれがちですが、
実は給気ファンや吸気口のような“空気の通り道”が盲点になりやすいのです。
中小工場では、限られた人員と予算の中で、
**「自社でできる・既存設備を活かした防虫対策」**が求められます。
今回紹介した防虫ネットの活用は、
- 手間なく始められる
- 効果が見えやすい
- コストパフォーマンスが高い
といった観点から、非常におすすめです。
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